note

2025.7.7

3周年企画あとがき


無事完走してほっとしておりますが、7・7なのに七夕の話がひとつも無いのはどうなんだ・・・という葛藤もあったりしました。でも、どれかひとつでも強引に話を七夕のネタに持って行こうとすると、私の書きたいことから離れていく気がしたので、これで良かったのだと思っています。

以下、本日を迎えるにあたって連ねた9作について自分語りを残させてください。


妓夫太郎

①毒と薬は紙一重
過去編、といいつつ前前世、ベースになっている第一部のお話。この後地獄の展開が待ち構えているとはまだ知らないふたりの、幼馴染からあと一歩を待ち焦がれる期の一幕でした。
毒と薬は実のところ弊長編の中でテーマ的な意味もずっと担っていまして。妓夫太郎に毒を教え、薬の知識で生きる道を切り開く夢主ゆえ、今回の話は機会があればずっと書きたかったネタでもありました。正しい使い方をすれば薬に、誤った遣り方なら毒に。でも、出会ったきっかけの毒は確かにふたりの人生の薬になりました。(作中出てくる芥子の花は鬼化if「芥子の箱庭」の夢主血鬼術にも応用されています)

②忘れ得ぬ夜
現代編、夢主から見た祭の再現。梅ちゃんにくっつかれて自撮り連写に耐える妓夫太郎は確実に存在する、から広がったお話でした。この時点では梅ちゃん・幸太郎コンビはくっついてないのですが、ふたりとも妓夫太郎・夢主の関係は熟知していますので、当然そこは邪魔しませんよ!!の精神で。結果的に幸太郎を思う存分振り回して梅ちゃんもきっとご満悦。
夢主も言及してましたが、ひとからの厚意で手一杯になるのも灯火祭の再現です。妓夫太郎にとってもそうでしょうけれど、夢主にとってもあのお祭りは二人と一緒に外の世界に行きたいと思いが強まった特別な夜でした。時間はかかりましたが、平和な時代でもう一度お祭りを満喫させられて良かった。あの後河原で綺麗な花火を見上げたのだと思います。

③最後の陽が落ちる
未来編、妓夫太郎視点の結婚前日。拙作では何かと金銭的アシストに余念が無い童磨もとい碓氷氏。お陰様でなかなか普通では味わえない舞台が整いました。結婚式当日の話にしようか、正直ギリギリまで悩みました。が、本人も言ってましたが多分苦手な状況と、夢主のドレス姿に感極まることはあっても周りの手前どうしても素直にはなれそうも無かったので、前日ふたりきりの時間に焦点を当てました。少しだけ第一部のなぞり直しの様な攻防戦もありましたが、基本弊妓夫太郎は夢主に敵わないのですよ。君が思ってるより数倍夢主の思いは大きいから。ただ明日からは念願の夫婦になれるという本作、これから先も褪せない好意に困り顔しながらも頑張ってねの意味も含め、一対一の誓いやら最後の仕返しを用意しました。多分どの夢創作者様も共通でしょうけれど、ふたりが顔を近付けて笑って終了は書いてて満足感が凄いですよね。はー、楽しかった・・・。


シャディク

①In the Bud
過去編、実のところ先に執着しはじめていた義姉夢主・少女時代の話。引き取られて間もないシャディクを、日の目を見ない豪華な衣裳部屋で年相応にはしゃがせたい、が原点のお話でした。ミオリネとの関係性が公式と異なっているのが苦しい点ではあるのですが、そこはご容赦を。外見的にも金・銀で綺麗にお似合いなんですよ、それは夢主もわかっているし、身体の弱さ故にろくに遊び相手にもなれないジレンマもある。物分かりの良い姉の顔で引き下がるチャンスでしたが、他でもないシャディクが食い下がった為に致命的なスイッチが入ってしまいます。不穏な依存関係、その第一歩的なお話でもありました。

②One Dance
現代編、ガールズ達を日常的に夢主の傍に置いて少し経っています。メイジーね、あの子の闇の底知れなさが気になるんですよ、公式でノレアがニカに暴力振るった時の反応とか・・・ただわかりやすい形では回収されなかったので、その辺も妄想で補いつつ、ぐさりと刺さる方向で冗談を言わせた次第です。思いは通じ合っても義理とはいえ姉弟なので、公には出来ない関係性。その上シャディクはきな臭いことに首を突っ込み始めているので多忙を極め、会えない時間が多く、夢主は不安とストレスによって良くない傾向にあります。不穏、不穏、不穏。
何故シャディクが会話の詳細まで把握しているのか。全部報告が義務とはいえ、果たしてメイジーが一言一句伝えるものでしょうか。倫理に反する管理の仕方をしている可能性・・・よろしくない深みにはまっているのは、シャディクも同じなのです。

③Wishing
未来編・・・?本編未完成でこの時間軸は果たして成立するのか否か、受け取り方はお任せしますと注意書きしつつも、これは私の目指す着地点だったりします。シャディクの出自と夢主の脆弱さが不穏を呼び幸せ一直線にはなかなか出来ない本編を、私はこの未来に連れて行きたいという希望です。本編の方がよほど湿度高めな接触多そうな雰囲気だったのに、ベッドはふたつだし未だに姉さん呼びだし、でも星空の下で椅子に並んで手を繋いでることが至福の時間。依存関係ではなくなりましたが、シャディクの罪人としての負い目もひっくるめて夢主は自分の意思で隣にいることを選んでいます。ついでに二人とも長かった髪をばっさり落としていますが、そこは読み手様の心の補完をお願いしたいところです。本編もここへ繋げるべく頑張りたいです。


先生

①夢のような現
過去編、山田家入門ひと月後に風邪でダウンするお話。まだ周囲からの視線も評価も厳しい中、気合いだけじゃ続かないことを優しく諭されます。先生に看病して貰うのはベタですが美味しいシチュエーションだと思うのは私だけじゃない筈。期聖と源嗣のエピソードも完全に私の妄想ですが、あのふたりならある・・・気がする。そして本編では割と時間経ってからの出発なので皆さん夢主のオタク小ネタにも慣れっこですが、流石の先生もまだこの時期は横文字をまくしたてる珍妙なノリに噴いてしまうこともあるという。申告通り意味はまったく伝わってないです、でも推しの不意をつく笑顔は夢主の特効薬になった筈です。

②君を待つ
現代編と言いつつ今の本編進行具合からして、あまりワイワイも出来そうになかったので、夢主が目覚めるまでの間をヌルガイ視点で埋めて貰ったお話でした。夢主だけは知らない先生の憔悴具合を、ヌルガイは勿論皆知っていました。杠も本気ではちょっかいを出そうと思っていません。佐切と仙汰の記した本を読めば、勘のいい人間であれば夢主と先生の関係性は読み解けます(多分ヌルガイは純粋に三人の暮らしに目を輝かせて本を楽しんでくれたと思いますが^^)典坐の生粋の善性や眩しさ、ヌルガイから見た彼に夢主の言う“私の太陽”という呼び方が重なり、一層ヌルガイが典坐のことも夢主のことも好きになってくれたら良いな・・・と思い書いたお話でした。本編再開、急ぎます。

③幕が降りたその後で
未来編・・・?その2。水星にも増してこの話は夢か現か、大分ネジ外れた感じに仕上がりましたが、頭からっぽにしてイチャイチャ楽しめる展開もたまには許される筈!!と開き直りました。私も先生先生と連呼してますが彼お名前は士遠さんですので、関係が進展した場合名前呼び変更イベントは必須かと。(原作ファンブックによると生還後お名前変えて暮らしてるのですがそこはご愛嬌)そして先生、一線超えたら飄々としたまま甘々なことしてくれるひとだと私は信じている。オタク夢主、この未来に辿り着けると良いですね。典坐ヌルガイともつかず離れず、真ハッピーエンドと呼べる気がする。これも書いててとても楽しかったです・・・!


長々と自分語りを失礼しました。取扱推し3人×3時空で9本、出来るか不安もありましたが思い切ってチャレンジ出来て良かったです。改めまして3周年誠にありがとうございます。今後とも自分の好きを大切に続けていければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。