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2024.11.14

お返事


八城様

いつも大変お世話になっております。この度は新作四本に対し大変嬉しいご感想をそれぞれいただきまして、受信時寒い朝でしたのにガッと体温が上がったことをご報告させてください・・・!

アンソロも読んで下さったとのこと、それだけでも大変嬉しいですのに春へ繋がる嬉しいお言葉、沁みました。八城様も長編の作者様でいらっしゃるので、もしかしたら通じるかもと思いつつ・・・長編を書いていると、時の流れと共に変わること変わらないこと・当時は考えもしなかった状況の好転(時には逆な厳しいこともありますが)など、当時があったからこその今、という描写が・・・私は、書いててとても楽しいのですよね・・・!私も八城様の長編で、蒙恬と夢主さんの少年少女時代から今に至る大河のような時の流れを、いつも目をキラキラさせて眺めては幸福な溜息をついている身ですので、拙作のこれまでを八城様が知って下さっていること、大変細やかに拾って下さっていることが恐縮と共に大変嬉しいです・・・!仰る通り、第一部で夢主が命を落としたことに関し、妓夫太郎は自分達のせいで巻き込まれたと責任を感じています。それゆえどんなに些細なことも気にしてしまうのですが、夢主的にはただ平和な時代で誕生日を祝える今、膝についた薄い痕すら喜ばしい勲章です。何者にも脅かされず、少々騒がしくも周りから祝福される生活は、あの日町を無事に出られたなら叶っていた筈の光景でしたが、現代でふたりに贈れて良かったと思います。

芥子の箱庭、これは大分無理のある夏のお話でしたが、こちらもお読み下さりありがとうございます・・・!まさに「見ろ!人がゴミの様だ・・・!」という視点ですが(笑)遊郭の妖しくも美しい夜景はアニメのエンドロールなどでも度々目にしてきましたので、女性ふたりの血鬼術でさらに高い場所から眺め降ろす、少々強引なお祝いのお話でした。ヴィランぽいと言っていただけて感無量・・・!そして夢主のプレッシャーをご理解下さって本当に感謝です・・・人間から信頼を得る為、激しい気性の堕姫を庇う為、そして力で劣る自身の欠落を補う為、必死に作り込んだ見せかけの姿がこの時間軸の夢主でした。いずれ善子ちゃんの登場によって少しずつ計画は乱れ彼女は終結と共に自由を得ますが、支配されていた中でも三人だけの幸福を育んでいた夏の小噺でした。

リプライズ・スコアに関しまして、「激甘」とのご感想・・・!わぁー!確かにそのカテゴリはありました!ありました・・・!!小説によって糖度を表記されているサイト沢山あった様に思います、よくわかります・・・!!仰る通り大変積極的な行動が伴う夢と認識しておりますが、今作の気持ちのやり取りでその様に言っていただけて嬉しいです・・・!好き過ぎる故、幸せ慣れしていない故、そしてどこか予防線を張りがちな故にまともな受け止め方を出来ない妓夫太郎なのですが、本作の夢主は記憶が無いからこその体当たりが出来ると言いますか・・・浄化作用、なんとも素敵な表現をいただけて大変光栄です・・・!

そして最後の冬、めでたいお題には少々似つかわしくないかもしれないエピソードでしたが、こちらも本当に勿体ないほどのお褒めのお言葉をいただけて胸がいっぱいになりました。そうなのです、確かに穏やかな気性の持ち主ではあるのですが、決して博愛ではなくて、妓夫太郎だからこそ、という譲れない根があります。(そのへんこの時点では伝わる筈もなくて、妓夫太郎は混乱の真っただ中ですが^^)石を投げ返す下りはいつか書きたかったことなので自己満足なお話でもありました。そしてお誕生日の文化、非常に曖昧ではあるのですが、所謂原作の大正時代より約百年ちょっと前を想定しているので、庶民に誕生日の文化は(多分)浸透してないのでは・・・どうかな・・・という不安の中強引に冬の話に落とし込んだのですが、八城様にご納得いただけたならもうそれだけで自分の決断を褒めたい・・・!八城様こそ時代背景・考証をきちんと調べ整理されている方なので、まさしくお墨付きいただけてホッとしております。

いつも思うのですが、読み易く整えられた文章を書かれる方は、感想まで美しいのですよね・・・。八城様の幅広い語彙のお力で拙作を表現していただくとこんなにもキラキラしてる・・・と、いつも喜びと共に新たな驚きをいただいています。憧れの方にこんなにも細かく読み込み感想をいただける今は、決して当たり前ではないぞ・・・!と強く自分に戒めておりますので、本当にご無理の無い範囲でこれからも細く長くお付き合いいただけると嬉しく思います。Xは今どうにも不穏というか不安な日々が続いていますが、何かあってもこのサイトで八城様と繋がれていることが私の心強い支えです。

追伸でございますが、例の一夜のこと・・・私は、一生お待ち申し上げております・・・!!八城様の長編読者として何があっても見逃せない大事ですから、いつまでもいつまでもお待ちしておりますね・・・!