その日は朝から晴れ渡り、実に麗らかな日和だった。
誕生日であることは誰かれ構わず筒抜けで、学校では祝いの言葉が渋滞し、妓夫太郎は一日中何とも言えぬ渋い顔で過ごしていた筈が―――何故か今、うとうとと微睡んでいる。
頭が回らない。放課後、急遽決まった補習が終わるまで帰るのを待って欲しいと梅に懇願されたのが先ほどのこと。ならばと空き教室でと共に時間をつぶし始めたのも、同じくほんのひととき前のこと。
隅に設置された簡素なソファに、どうやら手芸部の試作とやらが敷かれており、に勧められたのだ。寝心地が良いみたいだから、試してみたら?と。それが果たしてソファと呼べるのかも疑問が残るほど、固く粗末な備品であることを、妓夫太郎は知っている。クッション材を敷いたところで寝心地が好転する筈は無いだろうと理解しながらも、からの勧めを試しもせず断ることはしなかった。言われた通り長座布団の上に寝転がり、午後の陽射しと戯れのように繋いだ手が温かく、優しい香りが漂ってきたと感じた時には、既に意識はふわふわと心許ないものになっていた。
ほんの僅か指先を動かせば、此処にいると応えるかの様に優しく握り返される手の温もりが心地よく。このままいつまでも微睡んでいたいと願ってしまう程に手放し難く。今日が誕生日であることも、此処が学校であることも、何もかもどうでも良いと。そうして僅かに身じろぎ意識が欠片ほど浮上した、その刹那。
明確な大勢の気配を感じ、妓夫太郎は急速に覚醒した。
「・・・っ」
一体何事か。確かにふたりきりだった筈が、この数に何故気付かなかったのか。このように無防備な姿を、内輪以外に晒してたまるものかと。跳ね起きた視界に入ったのは悪意とは程遠く、底抜けに陽気な笑顔の数々だった。
「ハッピーバースデー!!」
「お誕生日おめでとう、お兄ちゃん!!」
小さなクラッカー音、ちょっとした紙吹雪。そして見知った学友達の中心で笑顔を輝かせているのが妹であると気付き、妓夫太郎は暫し唖然とするしか術を持たない。
「な、ん・・・」
「あっ、危ない!」
狭いソファから腕ごとずり落ち、ぐらりと支点が揺らぐ。すぐさま横から支える腕は、十分過ぎるほど信頼出来るものだった。
「・・・?」
「えっと、妓夫太郎くんが考えてる以上にプレゼントと飾りでいっぱいになってるから、気を付けてゆっくり起きようね」
言われた通りの状況に身を置かれていると、漸く気付く。寝転がっていたソファ中、妓夫太郎を囲む様にもこもことした飾りやプレゼントで埋め尽くされており、一部は既に零れ落ちていた。状況説明をしてくれたは、妓夫太郎が覚えている限り眠り始めた時と変わることなく床に座り込んだままだ。
これが自分の為の祝いであるとぼんやりと意識は追い付きつつあるものの、頭の整理がつかないのは完全に寝起きである為か。梅の補習はこの口実だったのだろうが、何故こんなにも熟睡してしまったのか。もどかしく目を擦る最中、ぽとりと床へ零れ落ちた巾着が視界に入った。薬学部のクラスメイトが、今朝に手渡していたような気がする。妓夫太郎が記憶を探ると同時に、それは狛治の手によって拾い上げられた。
「見事に眠っていたな。胡蝶の用意したこれの効果か?」
やはり、呑気に眠りこけているのを見られていた。妓夫太郎は悔しいような気恥しいような思いに奥歯を噛み締める。妙な薬を盛ったのかと反射的に睨みをきかせるも、しのぶ本人はまるで怯む様子も無く普段と同じ微笑みを浮かべていた。
「確かにリラックス作用のやや強いものを選びましたが、至って普通のポプリですよ。」
「あとは、どんなかたーいソファでもふかふかお布団に代えちゃう長座布団のお陰かも!手芸部にお礼言わなくちゃ!」
「す、すごい・・・安眠効果、抜群ですね・・・」
既に卒業した蜜璃まで自然と溶け込んでおり、そのすぐ隣で恋雪が感心しきって瞬きを繰り返す。同学年の輪に収まらない集まりには当然妹の姿も含まれていたが、その愛らしい顔を不服に染めて仁王立ちしているではないか。
「バッカじゃないの」
吐き捨てるような台詞の直後、勝ち誇った様な笑みを浮かべている。嫌な予感に妓夫太郎の頬がひくりと引き攣った。
「ポプリも座布団も一ミリだって活躍してないわよ!お姉ちゃんがずっと手ぇ繋いでたから!よく眠れた理由なんてそれ以外ありえないでしょ!」
「っ・・・!」
妹の手により特大の燃料が投下されてしまった。各々談笑で満ちていた教室が瞬間静まり返り、次の瞬間からは違った意味の騒つきが広がり始める。
「キャアアア!!そうよね、そうよね!!一番ほっとするのは恋人の傍よね!!」
「当たり前じゃない!アンタ卒業して勘が鈍ったんじゃないの?」
「本当その通りね!!でも今日来れて本当に良かったわぁぁ!!呼んでくれてありがとう!!」
本人を目の前に堂々と気恥ずかしい議論に花を咲かせる者。言葉は無くただただ生温かな視線を向けてくる者。これまで退屈そうに隅で駄弁っていた朱紗丸と矢琶羽までニタニタと笑みを浮かべる始末に、妓夫太郎は居た堪れない思いで羞恥に震えることしか出来ない。そんな空気を打破するかの如く、実に爽やかな笑みを纏い炭治郎が目の前に屈んで来た。
「誕生日おめでとう、妓夫太郎!さん立案の作戦、大成功だな!」
「あぁ?の・・・?」
お前までいるのかという悪態より先に、の名が口をついて出た。中途半端にソファから身を起こす妓夫太郎に合わせ、床にぺたりと座り込んだままのは、目と目が合うなり小さく肩を竦めて笑って見せる。
「そう。お恥ずかしながら、今日の発案者は私」
と目が合う、それだけで周囲の雑音は気にならなくなった。まるで気付きもしなかった計画は、彼女の思い描いた通りの絵になっているだろうか。例えどんなに似合わずとも、己は今日の主役として、の望む振る舞いが出来ているだろうか。
「妓夫太郎くんのお誕生日、皆でお祝いしたくて」
その笑顔は柔らかく多幸感に溢れ、すべての不安に優しい答えをくれる。妓夫太郎は安堵したかの様に小さく眉を下げて口端を上げた。良くも悪くも空気に左右されない炭治郎が立ち上がり、周りに声をかける。その手にはカメラが握られていた。
「さ!記念撮影だ!皆さん集まってくださーい!」
「おい、勝手に・・・」
写真など承諾した覚えは無いと噛み付こうとした己を、己自身で飲み込む。今日の発案者がであることは、大きな意味を伴った。ぞろぞろと集まって来る波に紛れ、斜め後ろを陣取った狛治が微かに囁く。
「賢明だな」
「・・・うるせぇ」
自分こそ恋雪が関われば涼しい顔など出来ないだろうに。そうした小さな悪態すら、がぴたりと距離を詰めてきたことで自然と掻き消えた。プレゼントだらけのソファでと梅に挟まれ、周りを友人達に囲われて。己を中心に、炭治郎がシャッターを切ろうとしている。我ながら似合わない。しかし、すぐ隣にいるの高揚感が直接伝わって来ることで、その違和感すら溶けて薄まっていく。妓夫太郎は比較的穏やかな心持でカメラに目を向けた。
「撮りますよ!はい、チー」
「悪ぃ遅れたわ!!」
ダァン、と盛大な音を立てて扉が外れた。次いでパチパチと音を立てる火花、見る見るうちに室内を満たす白いスモーク。現れた巨漢は普段通り風船ガムを膨らましながら、大袈裟なポーズで見得を切る。
「真打登場、ド派手にな!!」
外れた扉が廊下側に倒れ、空白はたっぷりと五秒程。文句を口にしようとした者から順に、息苦しさに咳込む羽目となる。
「ごほ・・・宇髄先生、ちょっと煙の量が・・・」
「ま、窓開けて、窓ー!」
「これ、不死川先生来ちゃうんじゃ・・・」
「仕方がありませんね、宇髄先生に直接弁解していただきましょう」
一体何を考えているのか。眉間に皺を寄せ睨み付ける妓夫太郎と呆然とするばかりのに向かって、宇髄は華麗なウインクを決めた。
* * *
屋上には人気が無く、園芸部が育てている花々が春風に優しく揺られていた。妓夫太郎はひとり座り込んだままぼんやりと空を見上げる。澄んだ空に、飛行機雲の軌跡がよく目立っていた。扉の開閉音に振り向く。想像した通り、がひとりこちらを見ていた。
「宇髄先生と不死川先生、ひとまず煉獄先生が間に入ってくれてるから大丈夫そうだよ」
今に始まった話ではないが、ほぼ例外無くここの教員陣は強烈な個性揃いだ。修羅の形相で駆けつけて来た不死川と反省の色の無い宇髄は一触即発の事態となったが、両者を取り持ったのが煉獄であることは果たして吉か凶か。ゆっくりと隣に座ったの落ち着いた様子から、余計な思案は無用と悟る。彼女はどの教員とも関係良好だ。が大丈夫というなら、その通りなのだろう。
「無駄に迷惑な煙焚きやがって。目立ちたがりにも程があんだろうが・・・加減を知れってんだよなぁ」
「まぁまぁ、そう言わないで。ケーキの買い出し組が戻る前で良かったよ」
ぶちぶちと忌々しさを並べた傍から、の宥める声にそっと清められていく。混沌とした教室から一時避難を促された時はどうなることかと思ったものだが、今こうして二人で青空を見上げていると、どこか味のある展開だった気さえする。それこそ、意地でも言葉にはしないけれど。絶妙に神経を逆撫でするウインクを思い返し、妓夫太郎は眉間に皺を寄せた。
「一旦完全に換気して、テーブル周り準備整ったら呼びに来てくれるって。ソファだけじゃなくて、教室も皆で飾りつけ頑張ってくれたんだよ。後でしっかり見てね」
はひとつひとつ、楽し気に言葉を紡ぐ。そこに寄り添いたい思いと、無条件に相槌を繰り返すには気恥ずかしい思いが拮抗した。
「・・・柄じゃねぇんだよなぁ」
「そうかな?」
「俺なんかより、お前の方がよっぽど似合いの状況だっただろうが」
「ふふ。そんなこと無いよ」
己は主役に向かないだろうと、妓夫太郎は溜息を吐く。ただ、がこの日の為に意気込んで来たのなら応えたいと。それだけは強く感じる。人当たりが良く、文武両道の模範生。絵に描いた様な中心に立つべき素質を持ちながら、今日という日に笑顔で否を突き付ける彼女を横目に見遣り、妓夫太郎はふと懸念していたことに思い当たった。
「・・・膝、痕ついてねぇか」
「え?」
「・・・寝てる俺に合わせて、無理な姿勢でいたんじゃねぇのかって聞いてんだ」
低いソファに横たわった際、寝心地はどうかと覗き込んできたの笑顔は普段通り優しかった。床に直接座り込んだ彼女に手を握られ、そして額に落とされた甘やかな体温や心地の良い囁きに、うとうとと微睡の海へ誘われていったのだ。眠りながらも、時折包み返される手の感触を感じていた。跳ね起きたその瞬間まで固い床で身動きが出来なかったのならば、それなりに無理を強いたのではないかと。そうして案じる妓夫太郎に対し、瞬間瞳を丸くした末にが微笑んだ。妓夫太郎の好きな、柔らかな陽だまりの様な表情だった。
「何ともないよ、ありがとう」
「・・・」
「優しいね」
「・・・うるせ」
無理を案じることは当然のこと。優しく在ることも、か妹を相手にするなら容易い。いちいち言葉にせずとも当たり前のことを、それでもは声と感情に乗せるのだ。
「・・・私、嬉しかった」
膝を抱えたの横顔が、少々遠くを見ていることに気付けない妓夫太郎ではなかった。
「妓夫太郎くんは優しいし、かっこいいし、すごく面倒見が良くて・・・」
「・・・おい」
「妓夫太郎くんの良いところ、わかってくれるひとが沢山いるのって・・・嬉しいなって。皆に声かけて良かったと思ったよ」
広く理解されること。その言葉の重みを受け止めるには、暫し時間がかかる。
美醜が全ての価値基準であった寂れた街で、醜い汚いと罵られ遠巻きにされ続けた過去の記憶を、ふたりして引き継いだ。あの虚しさを、忘れはしない。しかしながら、誰に理解されずとも構わなかった。可愛い妹が恐れず懐いてくれるのならば、それを守ろうと。唯一の幼馴染が傍で微笑んでくれるのならば、それだけで生きていけると。他人などどうでも良いと、そう思っていた。
それでも、先程目覚めてすぐの光景は少々胸に沁みた。こんな日が来るなどとあの頃は考えもしなかったものだが、こうしてが嬉しいと言ってくれるならば、今世は状況が好転したと呼べるのだろう。他人などどうでも良い。その考えに変わりは無いが、理解者の輪が広がることは、それほど悪くないようだ。
「でも本音を言うと、嬉しかったのは半分」
「半分?」
「もう半分はやきもち」
「・・・あぁ?」
急激に風向きが変わり、頭に紙風船が落ちて来たような戸惑いに支配される。
「難しいね。妓夫太郎くんはこんなにかっこいい、私の好きなひとはこんなに素敵だよって分かち合いたい広い気持ちと・・・減っちゃう気がするからあまり見ないで、って狭い気持ち。どっちも私の本心だから、すごく複雑」
至極真面目な顔で膝を抱え、一体何を言い出すのか。ただ、最後にちらと横目でこちらを見遣る黒い瞳が、正真正銘の本音を語っていることも、残念ながらわかってしまうのだ。妓夫太郎は渋い顔で頭を雑に掻き、空に向かって溜息を吐き出した。
「・・・お前のずれた価値観を前にするとなぁ、わかっちゃいても突っ込みが追い付かねぇんだよなぁ」
「ふふ。そう言わないで順番にどうぞ。ひとつひとつ、きちんと納得がいくまでお答えしますよー」
「・・・うるせ、ばぁか」
戯れの様に横から頭を引き寄せ、ぐりぐりと、力の抜けたやわな拳で米神を摩る。は声を上げて笑い、やがて体重を預け合うように隣り合ったまま抱き合った。開けた空は明るく高く、春の日差しはどこまでも優しい。
「お日様があったかくて、気持ち良い日だね」
「・・・おぉ」
「こんな良い日に妓夫太郎くんとのんびり過ごせて、すごく嬉しい」
「・・・そうかよ」
は思いを躊躇なく口にする。全力の褒め言葉も、認められることの嬉しさも、妬いてしまう淋しさも、すべて。真っ向から異なる彼女を、己には勿体ないとも、心から大事だとも思う。鼻先を擦り寄せて感じる香りは、ポプリではなくの匂いだ。昔からずっと変わることの無い、優しく温かな春の匂い。どんなに時が経とうとも、妓夫太郎にとって欠かすことの出来ない安らぎ、そのもの。不意にが腕の中で身を捩り、聞こえるか聞こえないかの境界で囁いた。
「・・・ふたりの時間をくれたのかな」
「何だぁ?」
「ううん、何でもない」
鼻先が触れ合いそうな至近距離で顔を見合わせ、が目を細めて笑う。
「今充電出来てる分も・・・やっぱり、今日はやきもち封印しなきゃ」
鬼も存在せず、刀も必要無い。平和な時代に、飢えや寒さに怯えること無く生きている。あの頃守り切れなかった、命より大事な温かさを腕に抱いて、太陽の下で笑い合える。それは途方も無く、幸福なことだと。の優しい目を見る度、何度だって痛感する。
「妓夫太郎くんが生まれてきてくれた、特別な日。色んなひとに感謝したい、大切な日だから。出来る限り、盛大にお祝いしたいの」
今日、この日を特別と呼んでくれる。の為にここにいると、心の底から信じられる。
「お誕生日おめでとう、妓夫太郎くん」
祝福の声と共に、前のめりに首元へ抱き着いてきたを受け止める形で、体重が後ろにかかる。耳元で、が息を吸い込む気配がした。
「私ともう一度出会ってくれて、ありがとう」
微かな声で、しかし丁寧に囁かれた言葉は、特別な縁を結んだ証。半ば押し倒すような体勢が気にかかったのか、少々慌てて身を引く頬が赤い。それでも、黒い瞳は変わらずこちらを見て微笑んでいるものだから。湧き上がる温かな思いに逆らうことなく妓夫太郎は表情を緩め、の乱れた前髪をそっと直した。
「一言一句、そっくりそのままお前に返すからなぁ」
「ふふ。私は今日誕生日じゃないよ」
「んなことわかってんだよなぁ」
目と目を見交わし笑い合える、この時間を尊く思うからこそ、強く感じる。
例えどんなに似合わなかろうと、どんなに不釣り合いだろうと。
生まれて来て、良かった。
「」
「なぁに?」
互いに座り込んだまま、妓夫太郎の手がの後頭部に優しく添えられる。
どんなに言葉を尽くしても、この思いを伝える手段はこれ以外に無いと感じた。
「・・・目ぇ、閉じてろ」
「・・・うん」
大人しく閉ざされる瞳、期待に染まる頬、緩む口許。全てが愛おしく、耐えがたい引力を伴った。
そうしてふたりを隔てるものが完全に無くなる、その寸前。
奇妙な物音が、風に乗り届く。
「っおい、押すな馬鹿者・・・!」
「何じゃと?狡いぞ、よく見えんではないか・・・!」
ドアノブの金属音、密かに言い争う声、そして。
「・・・あ」
折り重なった状態で転がり出たのは上に朱紗丸、下に矢琶羽。そして二人の背後には、先程教室にいたメンバーと宇髄まで勢揃いしている。赤面で煙を噴くものから気まずそうに目を逸らす者まで反応は様々であったが、見られたことには違いない。妓夫太郎の時が動揺で完全に止まった隙を逃さず、はみ出したふたりは撤退し鉄扉が閉まった。
「一応言っておきますが、私たちは止めたんですよー」
「お前ら全っ然駄目だな、忍の才能無ぇわ」
「そうかのぉー、なかなか良い線いったと思ったんじゃが・・・」
しのぶや宇髄達の声が遠ざかっていく。ふるふると羞恥に震える妓夫太郎は、遂に怒りに吼えた。
「・・・っざけんなよなぁ!おい!」
放たれた矢の如く、妓夫太郎が駆け出す。瞬間唖然と目を丸くした末、顔を赤くしたままのも笑いながら後を追う。
静寂の戻った屋上に、優しい風が吹いた。